[周囲の声は一応耳に入っているけれど、口を出す事はせず。
マテウスとゲルダのやり取りに、ほんの少し目を細めた]
(……これで、極楽蝶が誤魔化せればいいが……)
[あらゆる意味で、そうであってほしい、と。
はあ、と一つ、息を吐く]
……これで、終わったんなら、何より、だね。
[掠れた声で呟いてから、ゆっくりと顔を挙げ]
……ぼくは、ちょっと、外を歩いてくる、よ。
[誰に言うともなしに告げて、踵を返した。
俯く様子は、傍目には友が犯人だった事に消沈しているようにも見えるか。
地味に、異常の気配もある。
舞手の周囲に漂う光の粒子、そこに潜む陽光と天聖の属。
先ほどまでは陽光が主体だったそれは、今は天聖の方が僅かに強くなっていた]