[喉を食い千切られ事切れた春を幼馴染が抱き起こす。
その声が、悲痛な叫びが、目の前のそれが現実なのだと教えられる。
春が死んだ。
演じる私が好きだと、ずっと応援すると言ってくれた人が。]
ぁ…っ
[また、人が死ぬのを止められなかった。
何も出来ずに。後悔に、視界がゆがむ。
そこにかけられた問いに、ようやく側に慎太郎が来たことに気付き。]
森君、が…襲われ、て。
襲った、のは…キユリ、ちゃんと…影、つながって、た…
キユリちゃん、は、狼、だって…
森君、言って、たって。
[そう答えた声も、また、掠れていたか。]