話の種は他の奴に求めてくれよ。町に出たがる娘はいても、森に引っ込みたがる娘は、そうそういないんだ。[芝居がかった溜息をひとつ落とすと、左の指先に紐を引っ掛ける]はい、はい。悪戯も面白そうだけど、今は菓子のほうがいいや。楽しみにしてる。[手の代わりに振られた火箸と御機嫌そうな猫の尾を見送った後、濡れた草を踏みしめ、人目を避けつつ向かう先は診療所。自衛団長のお叱りを受けることになるか、内密に済まされるかは、*荷物の行く末次第になりそうだった*]