― 玄関 ―
ははは……。
[マリーの再度の言葉に乾いた笑いが零れた。
彼女の友達とやらの考えは何となく察せたけれど
それでも矢張り奇特だと思うのはそういう話を避けてきたから]
そうなんだ、お父さんと二人、か。
――…と、そういう話はあまり男に教えない方が良いよ。
それこそ悪い狼に狙われてしまうかもしれないからね。
[案じる声を掛けて彼女の言葉に頷いた]
ありがとう。
気をつけて……。
何かあったら大声で叫ぶンだよ。
[彼女がパソコン室へ向かうのを途中まで見送ってから
佑一郎は一階の非常口を目指した]