―― 広場 ――
うん。そうやって心配してくれるのはちょっと嬉しいから。
それで割と充分。
[そわそわして視線をそらすキリルが可愛い。
思わず手を伸ばして頭をなでようとしてみた。
奥から彼女の兄がいるのを見て少し躊躇は見せたけれど、それでも彼女から拒否されないならば]
そっか。良い考えだと思う。
一番みばのいいのを切って送ろう。
隣に少しスペースがあったから、いつか植えてみてもいいかもね。
[言いにくそうな話方と、漏れる笑み。
彼女からなされた提案には首を左右に振った]
キリルと一緒で嫌なもんか。
あの人は可愛そうだと思うけど、正直、この村の人でなくて良かったとも思ってしまってるくらいだから。申し訳ないけどね。
[あの人の死を悼んでも、笑うことをやめる気はあまりなかった。ふるりともう一巡りだけ視線を森に走らせると、彼女と目を合わせて]