―談話室―[ソファの傍に膝を付き、揺り動かそうとして落とした手はその縁を掴む。ぎり、と零れた音はその手か、噛み締めた歯か]……、[傍から落ちてくる言葉>>33に漸く顔を持ち上げる。少しだけ冷静になって見れば赤が広がる中心はひとつで、これまでに比べて随分と小さかった][けれど、それがどうだと言うのか。まもれなかった命は彼方に遠く。ここに戻ることはない][ぱたり、と。力無く両腕が床に落ちる。思考は空回りさえ起こさない。左肩を侵す熱さえも何処か遠くて]