─ 黒珊瑚亭 ─[駄々を捏ねるカヤの言い分が分かるからこそ、説得の言葉を発するに悩んで。言いあぐねる間にカヤに指摘されたこと>>32やヘルムートからの言葉>>30が耳に入り、はた、と我に返る]ご、ごめんなさい……。[カヤに視線を合わせる姿勢から立ち上がり、彼に背を向けながら右手を目元へと動かした。子供達に泣くところは見せまいとした心理からのこと。瞳を閉じれば滲んだ雫が珠となり睫毛を濡らして。それを抑えるようにして指で雫を拭い取る]