─ 雑貨屋 ─
[名前を呼ばれると顔を上げる。>>29
通話中かと思っていたが、どうやら奥にも居ない、連絡もつかない状態らしい。]
ふーちゃんの爺さん、何処行ったんだ…?
[まさか店の中に居た所を襲われて逃げてったとか……なんて事が過ぎって慌てて首を振った。
勢いで少しずれた面を、片手で直しながら。]
俺ちょっとその辺見てくるよ。
ふーちゃんはここに居て。外出るよりはマシだと思うし…。
[雑貨屋の奥にいても、時折外から悲鳴や銃声が聞こえてくる。
そこに連れ出す気には到底なれずに、一人で出て行く事を決めた。
心配だから傍にいる、という選択肢もあったが、あえて選ばなかった。
ずっと肩にかけっぱなしの鞄を斜めがけにして、両腕が自由になるように、中に放り込んだ銃が取り出しやすいようにすると、曲がったシャッターの影から外の様子を伺い、人気が少ない時を狙って外に出た。]