― テレーズ宅前 ―
[ユーリが持っているようなのを聞けば、ほっとしたように頬を緩めて、頷く。
何か言いかけたのだろう。
なんとなくそんな間があったけれど、そういうのは自分にとってよくあることで、
特に聞き返す事はしなかった。]
うん。
レシピ聞く。
クッキー。
[ノクロがお菓子、というのに頷いた。
自分もユーリのところに取りに行くべきかと思ったけれど、
うろうろ、悩んでいるうちに行ってしまった。
ノクロが、ぼんやりしているようだから、そっと、ノクロおにいちゃん、って呼びかけてみて。
でも特に普段から、言葉を多くした覚えがないから、ふるふると首を横にふったりして、時間は過ぎる。
咲く。伝承を知らない、聞いたことはあるのだろうけれど覚えていないミケルには、さっぱりわからないから、首を傾げて。]