― 翌日/宿屋一階 ―
[廊下で蹲り咳き込んでいた少女の傍らに人の気配がして
案じる言葉が掛けられた>>37
それがイレーネの声であると気付けど
空っぽの胃からこみ上げ掛けた酸が喉奥に触れ
直ぐには顔を上げられなかった。
けほ、と何度目かの咳が零れ、漸くそれが収まりゆく]
――…イレーネ、さん。
[大丈夫、と強がるよりも少女は彼女の厚意に甘える事を選ぶ]
水、もらえると嬉しい。
[少しだけ嗄れた声音で、たずね>>40に頷いた]
あ……。
[フォルカーの声がして其方へと視線を向けるが彼は既に動いた後>>46]