[差し出した手は取られることはなく(>>46)。
そのことに関してでなく、右手を庇う様子に、
医者の卵は苦笑を浮かべて告げる。]
症状が悪化すると、衝撃にも弱くなりますから。
気をつけてくださいね。
[ゆるりと視線を周囲の赤に滑らせて]
どうやら、特効薬ができて目覚めさせられた
……というわけではないようですし。
[困ったように呟いた後。
視界に入ったのは、研究員の男。
父の傍で見たことがある気がする。
その男に声を掛けていた少女はどうだろう。
思考にかかる霧の中から真実をみようと、
緑の眸を眇めて起き出した一人一人を見やった。]