───。[手が、探る] [ない───すっかり忘れてた] [溜息][箱舟のようなそれから、床へと足を延ばす。自分と同じように起きている幾つかの意識を余所に] [足の裏に、痛み][ゆっくりとした動作で摘みあげる]───ッ[ほんの少しの力も入れていない] [砕けて、落ちる][高く砕ける音] [生まれたばかりの赤ん坊の手のような形をしていた][床には、断末の悲鳴に似た白い破片の放射]