─ 宿・一階入り口付近 ─[ゲルダの問うような視線>>48には応えない。秘密の一旦――それは、自分のものではなかったが――をこれ以上出そうとはしなかった。困惑する様子も、横目で見やるのみ。表には出さないが、迷えばいい、という思いも内にはあった。アーベルの返答には、まぁなと返す。縁遠い者の印象なんてそんなものだ。不思議そうな様子にも、曖昧な態度を崩さず。片づけが済めば、道具を返して、少し休もうとした**]