[最も同じなのは年だけで、見目も性別も子と少年が重なる部分は無いのだが]
……重ねて見る方が、悪いのにね。
[娘と同じ年で、陰惨な光景を目にしたあの子が心配で。
どうしても心から離れなかった。
その結果が自分に齎したもの、身の内から心の芯までを酷く苛み今も尚増していくばかりのそれに、ふっと一瞬意識が遠のく。
意識を失えば、また何か見えるだろうか。
刹那沸きあがったのは「視なくてはいけない」という強迫観念。
少年を案じ、視えたものを告げても良いだろうか。
そんな相手を無意識に思い浮かべたのと、意識を手放したのはほぼ同時。
数分程経って意識を取り戻した後、部屋の外へと出ていった頃にはもう事態の収拾に入った頃だろうか。
ともあれ、まだ何も気付いていない女は誰か居るだろうかと階下へ向かった*]