主は、貴方が人狼であると仰いました。
[言いながら席を立ち、エーリッヒへとゆっくり近付いて行く。
互いに触れるにはまだ届かない位置で立ち止まり、握り込んでいた手を差し出すように伸べて。
指を開き手の中のものを彼に見せた]
それと、これが今朝、人狼が目撃された場所に落ちていたそうです。
……貴方のものですよね?
[見せたのは彼が無くしたはずの指輪。
拾い上げようとするなら阻むことはしない]
人狼が目撃された場所にあった指輪…。
貴方が人狼であると言う、物的証拠です。
[そうは言うが、この話を自衛団員に聞いたなら、全員が知らぬと言うことだろう。
これを拾ったのは、全く別の場所なのだから。
ただ、全員にそのことを確認するのは時間のかかること。
ナターリエがついた嘘を、今すぐ看破するのは難しいはずだ。
エーリッヒを手にかけるまで騙すことが出来れば、それで良い]