―レイスの部屋の前―
[セイレーンが咳き込んだ音>>54はドミニカに問うていた魔人の耳に届く事はありませんでした。
少し遅れて開いた扉、そこから踏み出してきた青年の姿を眼にし、霧散した甘い音の残滓を探すように視線が流れます。]
・・・ああ
倒れたりしたわけではないようだな
[怪我などはないと見て取ると、幾分か魔人の緊張は緩みました。
僅かな動揺の気配には気づいたのか否か。
背後のドミニカを振り返り、眉を寄せるレイスと見比べ]
いや、心配というほどでもないが
ただ事に見えなかったんでな
[レイスは無理を隠す性質そうだと考えている黒い眼が『話せ』とバンシーを見下ろします。]