─宿・二階 個室─[教えられた部屋に入ると、亡骸を今までと同じようにベッドに横たえ、短い黙祷を捧げる。自身の『恩人』をその手にかけた青年に、思う所がなかったわけではないが]……だからって、こんな最期は迎えてほしくなかったんだけどねぇ。[は、と零れるのは嘆息。それから、そんな感傷めいたものを振り払うように首を振って]……で、だ。亡骸の横で切り出す話題としてどーか、とは思うんだけど。ライヒ、お前、さ。……何を、どこまで、知ってんの?[静かに投げかけたのは、こんな問いかけ]