―森 ―
[少女の大声は、どうやら届いたらしい。>>62
聞こえてきた遠吠えに、ぱ、と笑顔になったものの。
暫くその場で待ってみて、こちらへと来ないことが分かると、少女の目が据わって]
……そう。
そっちがそのつもりなら。
こっちだって、諦めたり、なんか、しない、もん、ね!
[ガスガスと森の中を前へ前へと進んでいく。
どれくらい歩いたかは分からないけれど。
奇跡的に真新しい足跡に気付くと。
空から舞い降りる新たな白にかき消されてしまう前に。
それを追って急流上流付近へと。
―まだ、そこに彼がいるかは分からないが。]