─ 宿二階・個室 ─[折れた腕にはなるべく負担をかけぬようヘルムートを横たえた後、軽く目を閉じ、修道士らしく祈る仕草を取る。仕草しながら、祈りが神には捧げるものでないのは相変わらずだが。オトフリートの唇を>>62、横目で見たが。唐突な問いかけには、極微かに翡翠が開いた。『何をって、何がだよ』少しの間の後に、利き手でない左手を、そう鷹揚に動かした。表情は微妙な風。ただ普段の応酬する際のような色は見られなかった。]