[他のカプセルを見ることもなく、声のするほうへと歩く] 人が、たくさんいる。 だれ? 同じように眠ってた人たち? ねぇ。誰か応えて。 どうして目が覚めたのかしら。[赤いランプが目に入るはずもなく、アラーム音だけが耳に入る。起きたばかりの体は、少し歩くだけで足が痛んだ。休憩とばかりにカプセルの一つに腰掛ける。ついた場所に、ぽろぽろと崩れ落ちる乾いた小石。 ―― 人であったもの]