─ 『世界中の仔』付近 ─
くぅんくぅん。
……きゅう。
[押し流された先で、ふわ溜まりから出ようとティルはもがきます。
最初にお尻が出て、まぁるい尻尾を天に向けながらもそもそと左右に振っていました。
ようやく頭が抜けた時、ちょっとした奇跡が起こります]
……ぅ?
[仔熊姿のティルの首の周りに、大きめのふわふわが取り巻くようにくっついていたのです。
それはまるでもふらいおんのよう。
どうしてそうなったのか、それはティルにも分かりません。
唯一分かったのは、ふわふわが首の周りに取り巻いているお陰で、とてもぬくいと言うことでした]