[首筋を狙い、だが爪を立てるのではなく甲を向けて。気絶狙いの一撃。それなりに気合の乗ったものだった。が、同時に響く異国の音。その意味は知れず。ただ不吉な予感だけが脳裏を駆ける]似金行為…[せめてもの防御をかけようと、口訣を紡ごうとして。鋭く喉に走った痛みが一瞬、それを途切れさせる。その一瞬が致命的だった]――!![交差して喉元に伸びてくる相手の手を振り払うことも。背後に感じた風への対策を取ることも。何も出来ずに、飛来する矢雨に無防備な背中を晒す]