─ 三階廊下→自室 ─[部屋の中から離す声は聞こえてくるけれど、内容に理解が追い付かない。どこかぼうっと佇んでいると、黒猫がにぃ、と鳴いた]……ん。[それが、休めと促しているように思えて、ふらり、と自室へ向けて歩き出す。部屋に戻り、室内を見回すと、机の上の薔薇の花が目に入った]……あ。[そういや、聞けなくなった、と。祖父の部屋を訪れた理由を思い出したけれど。そこからどうするか、がどうしても浮かばなくて。ベッドに倒れ込み、猫を抱えたままぎゅ、と目を閉じた。**]