わかりました。二本持っていった方がいるのかしら……。
[と言うことは、もう人数は揃っているのかと思う。
ヴィクトールが部屋を教えて出ていくと、またまな板へと向かった。
と、イヴァンの手が菓子を持って口元に差し出される]
え? あ、ええと、その。
[思わず口を開けそうになってしまって言い淀んだ。
常客が菓子をくれるときがあって差し出されてつい口を開くのは癖のようなもの。
けれどイヴァンの幸せそうな表情に、無碍に断るのも気が引けて]
ありがとう、ございます。
でも、その、後で戴きますから。
[礼と断りを口にする。
照れてしまって少し頬が赤く染まった]