― 3階廊下 → ―[横を行き過ぎ、そうして背後。遠く靴音はもう届かないだろうが、それでも耳に届いた声>>84。ああ、彼女は――][過ぎる思考は頭を振る事で振り払う。自嘲の色を口端に零して、今は、階段を下りて]― 2階廊下 ―[其の先、窓の傍に集まる人々を見付ける。声を掛けようか、少し迷って](……この格好では、怯えさせるか)[それに、一人にはしておけない。せめて二人で居なければ、今は][もしも誰かが此方に気付くなら。会釈ひとつだけを残してそのまま自分に与えられた客間へと]