─朝─[落胆に重くなる身体、心身を苛み続ける痛みは女の動きを鈍らせる。けれど、視たものを早く伝えなくては。少なくとも、音楽家と神父の二人には視た事を言わなくては。自身が支える花一輪を視たことを知らぬ女は、己の目覚めを呼んだ猫の声を探し、部屋を出た]