[少し困ったように微笑むのは何に対してか。ふっと覚醒したように、再度、視線をハインリヒに合わせる。] さん付けするなって、いつも言われてた気がします。 では、僕はあちらを見てきますね。[小さく会釈をするのも、癖だったろうか。歩き始めたベアトリーチェと名乗った少女とすれ違う。] エーリッヒは、僕のことだよ。[すれ違いざま、少女の問いに答えるよう、少し腰を落とし、視線を合わせる。]