[彼がいつも胸に提げた銀の十字架を握りしめながら、アーベルは横を通って階下へと向かって行ったようだ]
…?
[どこに行くのだろうかと見るともなしにそれを見て、それからアーベルが消えて行った階下から、誰かの叫び声が聞こえた気がした]
あれ。今…
[それは書斎でエルザの名を呼ぶ、ミハエルの声だったのかもしれない。シスターの事で緊張している中、二階へと届く迄には聞こえるか聞こえないかの声ともなっていて、聞き間違いかと首を振る]
>>85
…そうですね。
[多少の怪我や熱では休みは貰えない。
体の熱に工房の熱。このままでは死んでしまうと助けを求め教会へ一時逃げ込み、シスターの優しい看護を受けた時の事を思い出す]
滋養がついて…、消化にいいもの作ってあげないと。
俺が、許すも許さないもないけど…
[ナターリエを難なく運んでやれそうなクレメンスにほっとしながら]
頑張り過ぎるなって、神父様から説教して差し上げないとだ。
[そう笑って、イレーネの最もな突込みにはそれもそうだと顔を逸らしながらも三人の近くに歩み寄ろうとして、窓から下部に人影を見る]