[エルゼリートが戻ってくると、言われた言葉にうんと頷いて。
ミーレは自分から手を出すことはしなかった。ナターリエが持たないのなら、抱えることも嫌ではないけれど]
エルは、どうしてそんなに僕の手伝いを嫌うの。
[エーリッヒのときもだったけれど、文句の一つは口をつく。
それでもきっと、手伝わせてはくれないのだろうと諦めの溜息を吐いて]
それじゃあ、飲み物でも作っておくよ。
ナターリエも、あとで下においでね。
[それでも思い返せば、そろそろ蜂蜜もなくなるころだろう。
砂糖や、他のものも持っていく為に一度部屋に戻り、鞄の中から調味料を取り出す。
奥に入っている銀のナイフに手は伸ばしかけたけれど、それは止まった。首を振って戻し、代わりに、自分は使わないポーチにいれた鮮やかな花のブローチを持つ。
小さな紙袋に移すと、すぐに部屋を出た。エルゼリートがまだ片付けているようなら、声はかけて、階下へと]