そうなんですか?[ヘルムートの言葉に>>99少年は驚いたように瞬いた。意外の念が浮かんだ瞳の色は、次の瞬間には、やはり、嬉しそうに煌めいて]じゃあ、僕が最初なんですね。なんだか、嬉しいです。[本当は、彼の音色に合わせて紡がれた別の美しい声の在る事を知っているけれど、それは、今は忘れたふりで...否、忘れることにして][やがて、ピアノの旋律が彼の麗人によって紡ぎ出されると、少年は、両手を祈りの形に組んで、歌い始める]