―住宅街―[眺めていた建物から人が駆け出してくるのを見て、身を強張らせた。半分割れた視界で、最初に目が止まったのは相手の色を違える方の眸。少し口を開いたきり、無言でそれらを眺めていた]……、[我に返ったのは、相手が発した低い声に反応してのこと。腕は下がったまま、だが銃を持つ手に僅かに力が籠る]……人をさがしてて、おそわれ、ました。[問いからやや間があって、返したのは事実。返事としてはずれているように見えて、遠回しな肯定にもなるか。そう受け取られるとは限らないけれど]