―ゼルギウスの部屋―あ、やっぱり知らなかったのネ。[俯いたエルザの表情は伺い知れないが、その直前の顔は真実知りませんでした、そんな様がありあり見えた。]兄さんに知らせたら面倒だからって、お嬢と一緒に口止めされてたから黙ってたけど。状況が状況だし、そろそろ時効かなって思ってネ。[などと言いながら、知りうる存在がもう一人いることもさらりと伝えた。どんな顔をしてるんだろう、と気にはなったが、覗き込むことはせずにただじっと見つめていた。口元の笑みは、薄い。]