[心当たりなんかあるはずなくて、向けられた視線に少し悩んだあと、首を横にゆっくり振った。
それから、考える。
サリィは、も、と言った。
つまり、ほかの人も何かがあったということ。
つきんと痛むのを今度こそ気になって、身をかがめて、足首のあたりを見てみる。
ズボンを少し捲ればすぐにあらわになる淡い紅色の八枚の花弁。
小さな花がそこにはあった。
こんなものなかったはずなのだ。
ミレイユとサリィの様子を、座って、右足首を抑えて、見る。
こういう事がみんないおきてるのなら、大変だなあと思って、ちょっと心配げな顔だった。]