―二階/階段傍→―[ヴィクトール>>112にゆっくりと振り向いたのは、 肩に置かれた手の感触に、ほんの少しびくりとしてから。 彼が重い顔で頷く様を見る瞳はいささか覇気のないもの。 それでも、大丈夫だ、と示すように僅かに口角を上げた。] あなたこそ、大丈夫――、[そう問うように呟きながらも。 行こう、と促す声に小さく頷き、歩き出した。 降りてくれば確かに生臭さは幾らか薄れて感じられ、 紅茶の香りも混ざる階下の空気に、小さく息を吐いた。]