―二階・エーリッヒの部屋―[アーベルの声にも自分の意識は落ちたまま、魘されるようにそれ以上意味を持つ言葉は出ないことだろう。アーベルにゆすられるなりすれば、その意識はぼんやりと覚醒するだろうか]ああ、あー、べる……?エーファ…が……[意識を戻した中で、その言葉があれば一度混乱を呼んだ相手にも自分がフォルカーであることが伝わるだろうか。感情を覚えるよりも、喪失感が強く、どこか虚ろな様子でいた]