─ 宿・二階 個室 ─[こういう時は、友人と呼べる存在が鬱陶しい。そんな表情が表に出た。見える態度に>>119眉潜めながら、零れた言葉に返る静かな声。それを見る前から、どっちに終わらせるべきか、狭間に立つ身は揺れていたのだが。改めて突きつけられて、はっ、と息をついた。]そレ、はそれが出来てれバ、苦労は…[ねぇ、とは声に出なかった。ぐらつく思考は、迷いが生むだけのものではない。狼の声を聞き続けたせいか、半端な覚醒は進んでいる。今の自分は人だろうか、そんな思いも過ぎり。]