― 浴室 ―
ありがとう、ユーちゃん。
[カモミール&ローズのハーブ石鹸を受け取ったところで、ユーディットの視線が胸元のそれに向けられてる事に気づけば苦笑を零す]
あー、これね。
なんか大人になるにつれて、だんだん色濃くなってきたよねー。
[ソレの存在は多分、子供の頃に一緒に遊んでいて見られた事があっただろうか。
けれどソレが何を示すものか、まで彼には知られていない筈。
表向きは息子として育てられている彼女が、そう育てられた理由は、それを知る人たちには『父親が跡取り息子を欲していたから』と説明されているのだが。
『モルゲンシュテルン家の女児に何故か必ず現れるそれを、彼女が生まれつき持っている事を隠すため』いう本当の理由は、ユーディットも知らないかもしれない]