…そっか…じゃあ、私達、出られないって事…。[逃げ場はないのだと悟った女の声は震えていた。ギュンターは紅の月の者探しをやるのだろう。疑わしい者を殺すのだろう。それは本当に紅の月の者なのか。悪い夢であって欲しかったが、一向に醒める気配はない。]ありがと。…私、図書室に行ってくる。[そう言って、女は広間からふらりと出て行った。知っている事はあまりに少ない。先ずはそれを知らなければならないと。*]