[ここに居る誰をも疑いたくない。ここに居る誰も疑えない。けれど。誰かがこの惨劇を引き起こしているのは、確か]…だれかが、ころ、してる、なん、て、うそ、だ…![俯き、瞳を閉じ、耳を塞いだまま、極小さな声を絞り出すように紡いだ]……そう、よ…ここ、は、あくむ、の、なか……。げんじつ、なんか、じゃ、ない…![自分の中の何かが壊れそうになる。それを防ぐための現実逃避。どこまで防げるかも分からない、脆い、壁。瞳からぼろぼろと涙が零れる。錯乱しているのか、蓮実の言葉への返答は無い]