─ 宿屋一階 ─
[クロエからわりとのんびりにも思える礼が見えれば、少し笑って返した>>135。
友人からの特別な、淹れ立ての>>140紅茶が来れば、それには感謝を示して受け取り、香りを楽しんだ。宿屋の店主には悪いが、やっぱり普通の茶とは違うなとしみじみ思いながら。
澄んだ茜色に、どこかくらとしたものも覚えはしたが。
熱さはさほど気にせずにゆっくりと飲んで干した後に、一つ息をついた。
イレーネの仕草が見えて>>141、表情は相変わらず微妙なまま。
『多分、まだ終わらないだろうからな』と手を動かした。
それはフォルカーの白、という発言の意味に、確信持ったのもあったわけだが。
悪かったとの仕草にはゆるく首を振る。『気にしていない』との意を込めて。
そしてアーベルとゲルダの姿が見えれば、二人を少し、見た。]