―宿―[材料は揃っている。特にやることもない。それなら試してみてもいいかと木箱を手に宿屋の主人に厨房を借りられないかと尋ねてみる。今の状況では断るに断れないのだろう、良い顔はしなかったが貸してはくれた。]現実逃避かな、と思わなくもないんだけど。[乾燥させた葉を裁断し、イレーネから受け取った幾つかの香辛料を混ぜ、更に木の実などを混ぜ込んで何かを煮立てている。]