─ →宿屋─……。……きっと、真っ先に狙われる、よね。[彫刻師さんの呟き>>152が聞こえました。僕の声も、それと同じくらい小さなものだったでしょう。それ以上は殆ど何も言わないまま、やがて宿屋に着きました]……。[椅子に座らされる奥さんを見て、僕は両手に目を落とします。泣いた痕はまだ僕の顔に残っているのでしょう。いつもなら母にきちんと結んで貰う三つ編みも、昨日寝る前に解いたままです。だけど少しの間は、ただぼんやりとしていました]