― 宿 ―
[修道士>>157に肩を叩かれて我に返る。
ガタンと立ち上がると配膳台の近くまで行った]
父さん。
[けれど何を話せばいいのか分からない。
父親も何か言いたそうにはしながら、何も言わずに目を覗き込んできた。無言のまましばらく見つめあう]
やめてよ、痛いよっ。
[後頭部にガシッと手を置かれて、目を瞑りながら抗議した。
すぐに手は離されて「無理はするな」と低く一言だけ言われた。
薬師>>158に渋い顔ながら了解を出して厨房に戻ってゆく父親を見送って、右手で頭を押さえた]
痛かったんだ。
[感覚が色々戻ってきたら、さっきとは別の涙が出てきそうになる。
ぐいぐいと手で拭って大きく息を吐いた]