―個室→外―
[普段から寝起きはあまり悪くないのだが、流石に今日は起きて溌剌とした気分にはならなかった。多分枕が違うからだ。
部屋を出ると、見張りに立っていた団員に軽く挨拶を交わす。普段どおりの返事が返ってきたものの、視線だけは複雑なのは何となくわかった。向こうもまさかねぇ、といったような面持ちのようだ。そのまま外へ出ていき呼び止められかけたものの、裏の方へ足を向ければ向こうも何も言わなかった。
外にあった納屋から農業用の桑を持ちだし、槍術の型を取った。
この雪の中上着を脱いで一通りの型を終えると、井戸の水を汲みタオルを水に濡らして汗を拭う。
朝の日課が終わると少しは気分も上向きに修正された。]
ふぅ、今日は暖かいくらいでよかったなぁ。
[周囲は雪だらけだが、寒さはあまり気にならないようだ。]