[階下に降りたのは最後に近かったか、クレメンスが犠牲になったことは、誰かが教えてくれたろう。男にとっては意外ではない事実。「獣」の最も傍にあった花が散るのは必然]
……外だな。
[話を聞き、建物を出ると、アーベルとエルザが遺体を運ぼうとしていた]
こりゃあ、早めに埋めたほうがいいな。
[二人に手を貸しながら、シーツに包まれていても、辺りに立ちこめるような血の匂いに、嘆息を漏らす。まともな葬儀などは望むべくもなかったから、近くに埋葬してしまうしかないだろう]
墓穴掘りの道具なんざ、あったかねえ。
[後で探してみるか、と、常の通りの口調で呟いた**]