―屋敷の裏で―
[どれだけ佇んでいただろう。
エーファが何かに気付いたように駆け出すのを見れば、その先にいたのは彼の相棒>>115
無事を確かめるように黒猫を抱えるのに、口元にだけ笑みを浮かべる。
彼から大事な物全てを奪わなかった、人狼に残った優しさに。
短剣を拾い上げ、その様子を見ていたユリアンにも、どこか安堵の色が宿る>>125
今、はっきりと「終わり」が見えているのは、影をなくした男と先に逝ってしまった人たちだけ]
イヴァンも、屋敷の中に運びましょう。
彼だけここにこのままにしておくわけにいかないから。
[彼らとて、なりたくて人狼になったわけではない。
死んでしまえば、人狼かどうかなど関係ないから。せめて、最後は人として見送りたかった。
一人で運ぶのは無理でも、力をあわせればと
他も同じように考えていたのなら、運ぶのはそう難しくはないはずだ。*]