へぇ、わざわざそのためにこんな所に……。
[用はありあり、という答えに、す、と目を細め]
……やって来るたあ、ご苦労な事で!
[突如現れたハンドガンが火を噴くのに僅かに先んじ、銀翼が開く。
羽ばたきの音と銀の粒子を場に残し、蒼は射線上から飛び退いた]
……Anfang……
[短い言葉と共に、右の手首に巻きつけられていた糸が動く。
銀糸が解けた下に浮かぶのは、かつてそこにあった朱花ではなく、絡みつく蔦のような蒼の紋様]
……Klinge!
[距離を詰めながら着地した後、銀糸を刃の鋭さを持つそれへと転化させ、足元を薙ぐように撓らせた]