―1階廊下―だって、…。[言い返そうとしてみたが、全くその通りなので結局口を噤んだ。笑う様子に薄ら拗ねたためか、頭に触れる掌の感触。笑みに緩むのを耐えるように、むず、と口許を動かして。]絶対落ちない…![広間に姿を消すクレメンスの背中に、辛うじてそう答える。幼稚な自覚は在ったので、多少押し殺したその声は保父以外には届かない筈。]…くそう。[捨て台詞宛ら、ぼそりと残して階段を駆け上る。だからミハエルが其処を通った時>>160には、二人とも其々に散っていた。]