― 宿屋/ユリアンの部屋前 ―
[ミハエルとゼルギウスの話を聞きながら暫くはへたり込んだままで。イレーネからも出るように促され肩を置かれ、娘は漸く立ち上がる気になったのか其方へと貌を向けて。]
ン……ごめんなさい
気遣わなきゃいけないのはイレーネさんの方なのに
[ゆる、と頸を横にしながら詫びを入れて。ミハエルからも手を伸ばされたのなら、娘は二人の手を取って起き上がった。
二人の手はとても温かくて、ユリアンやブリジットの様な冷たさとは違うから。一層娘の胸を熱くさせた。]
…ミハエル君も、ありがとう、ね
皆、辛いのに、僕ばっかりこうで…
[泪を滲ませる目許は細められ弧を作り。此処から出るように二人に見守られてユリアンの部屋を後にするか。ゼルギウスや他の面々とも会えば、一度だけ礼をして。]
― →食堂 ―