― 大広間 ―
[その場にキリルの姿が、また「彼女」が持ってきたのだろう洗面器と濡れタオルが見えた時には、ほっと息を吐いた。
薬を持って戻ってきたリディヤの姿が見えた時も、また安堵は示していた。
の、だけれど。
キリル>>159が、また「彼女」に答えるアレクセイ>>159やオリガ>>168が、「声」の話をしていたのは聞こえていたが、メーフィエはすぐには何も答えなかった。
何時か森の中で聞こえた気がしたあの声。
今一度思い出してみれば、まるでアナスタシアの声にも似て思えて――。]
あたしも、聞きました。
……皆も、あの声、聞いてたんですね。
[大分間を空けて答えたのは、なるべく声に不安を滲ませないように努めた結果。]